今週のお題「おとなになったら」 「有名ドコロだけ!」を卒業 あそこも見たい。ここも見たい。プランを練って、短い時間でいかにたくさん名所を巡るか。タイムリミットのある中で、どうすればショッピングを楽しめる? お土産はどこで買おう。誰に渡すべき?…
ドイツのビーフシチュー(本場はハンガリー)であるグラーシュ(Gulasch)は、酸味が主役だと思う。名わき役を通りこして、主人公だと思うのだ。この酸味を出しているのは、サワークリームである。 最初に出会ったのは、とあるレストランでのことだった。メニュ…
育児中のママが、予定調和な日々を過ごすことはほとんど不可能なのに、私ったらノルマで動こうとするのだ。これは、好ましくない。語学や仕事の勉強で自分にノルマを課してこなそうとしても、一歳児は泣くし四歳児は騒ぐしで、達成できない。その日にする家…
雲井夏樹はあまり甘いものを食べない。 嫌いなわけではない。たとえば彼は、雲井家が日本から持ってきた貴重なお菓子を監視している。監視していると書いたのは、日本から持ってきたその貴重なお菓子を、私が離さないからだ。いつも手に握りしめているわけで…
日本で生まれ育ったので、日本で食べるお米がいちばん美味しいと思う。きっとトルコで生まれ育てばトルコのお米がいちばんだと思っただろうし、イタリアで育てばイタリアのお米こそ美味しいと思っただろう。 新鮮さが勝負の野菜は、輸送に頼らずその土地のも…
ドイツのレストランで肉を頼むと、ボリューム満点でおなかがすぐにいっぱいになる。日本に野菜たっぷりランチなんてあるけれど、ドイツでは野菜は皿にちょっぴり添えられているだけだったり、皆無であったりすることも多い。よく添えてあるじゃがいもは、ド…
ちかごろ寝室が埃っぽい。 これまで朝には窓を全開してマットレスや布団をはたいていたのに、毎朝のルーティーンリストから忽然と消えたのは、冷たい雨が続いているからではない。(寒がりの私には恐ろしいけれど、雨が降ろうと、真冬だろうと、ドイツでは空…
ある日曜日のことである。朝目を覚ますと、キッチンから、どおんどおんと音が聞こえる。 つい30分前には、小さな愛息コナツを挟んで、相方のナツさんが寝ているのを、薄目で確認したばかりだ。それが、今はいない。 コナツを真ん中にベッドで川の字に寝てい…
日本ではUber Eatsが流行っているけれど、ドイツではhttp://Lieferandoというサービスがあってコロナ渦でよく使うようになった。 注文しようといろいろ見ていたら、ギリシャ料理のメニューに"Bifteki"、カタカナ書きすると「ビフテキ」を発見。これって日本…
風が強く吹いていた。私たちは今バスの二階席にいる。 旅も終わりに近づいていた。明日朝には空港に向かうので、ポルトガルを楽しめるのは今日までだった。せっかくこの国に来たのだからユーラシア大陸最西端の岬、ロカ岬には行かねばと、バスに乗り込んでい…
心躍るもの。それは道沿いにあるスタンドで、農家の人から直接買う春のホワイトアスパラである。白く輝く春の宝石。 夫氏は、4月に入るとそわそわしだした。畑の広がる田舎に住んでいるということは、直売所で買えるということであり、それは春の何よりの贅…
ナツさんは美味しい店を探しあてるのがうまい。リスボンを離れてカスカイスに来たときもそうだった。 「観光地化した町ではさ、だいたい街の中心部から外れたところに旨い店があるんだ。そういうところに地元の人たちが通うんだから。」 と、熱っぽく語った…
パオン・デ・ロー ベレンに到着した私たちは、発見の塔に向かいながら、カステラの原型になったパオン・デ・ローが食べてみたくて、お店を探していた。美味しい店がきっとあるはずだけどどこに行けば食べられるんだろうかと、ゴソゴソとスマホを取り出しなが…
ベレンに行く前に 旅全体にいえるのは、とくに食についてよく調べないまま旅をすると、ときどき致命的な事態を招くということだ。リスボン名物のエッグタルト、パステル・デ・ナタの元祖を食べるべきだったと、今も悔やんでいる。ジェロニモス修道院の秘伝の…
誤算 ベビーカーを持ってきたのは、旅で楽をするためだ。小さい子どもを抱っこするより乗っていてくれたほうが体力を消耗しない。でもそれはあくまでドイツに限定すれば、という話だったらしい。 ポルトガルに到着してから数時間後、ナツさんと私は、自分た…
無計画な旅支度ー期待と不安 長期休暇の前日になると、仕事も終わらないうちからソワソワとして、昼過ぎには鼻歌を歌いながら帰ってしまう。ここドイツでは、そんな人を何度か目にしたことがある。ウアラウブ(Urlaub)と呼ばれる休暇って、人々にはとても大切…
スペイン料理店でパンを食べた時のことだった。輝くような乳白色のマヨネーズディップが、バケットと一緒にテーブルに運ばれてきた。バケットにつけて口に放りこむと、マヨネーズとはまるで違う味がする。味がよくなるという意味じゃなくて、何かが入ってい…
とある街の朝の市場で見つけた、日本ではほとんど幻のような真っ青なチーズ。 ひとめ見たときになぜか飛行石*1を思い浮かべたので、飛行石のようなチーズと言ってみたけれど、あの青はもっと深いので、飛行石と言うよりサファイアかトルコ石か。いずれにして…
ほんのりと舌に残るビールの味が癖になる、ひょっとしたら不思議味の、ビール煮込みの肉どんぶり。おうち飲み会で余ったビールで簡単に作れる便利なメニューで、だんな氏のオリジナル、わが家の定番メニューである。 もともとのヒントは、ビールで煮込んだグ…
この一生で、林檎をキロ買いすることなんてないと決めつけていたのだけど、人生、何が起こるかわからない。ドイツに来ると林檎はとても身近で、スーパーで大量に袋売りしていたりするのだ。1キロなんてうっかり買ってしまうと、毎日のごはんで食べないかぎり…
ぺたんこオープンオムレツは忙しい人の味方 余っている野菜を刻んで、炒めて、ミルクを入れた溶き卵を流し入れて、粉チーズをふりかけ焼いたらおしまい! の簡単レシピ。何が良いって、基本、具材がなんでもありなところと、形を整える手間がないところ。と…
プファンクーヘン。ドイツ風厚焼きクレープ 昨年の春先に、デュッセルドルフ市内のカフェで、シナモンが誇らしげにふりかかる林檎の厚焼きクレープを食べた。しっとりとした生地に埋めこまれた林檎の薄切りは甘すぎずべたつきもなく、全体に優しく焼いてあっ…
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ある時、TASTY JAPANさんのYouTube動画に鮭フレークとトマトの炊きこみご飯が載っていて、だんな氏が「これ、いいな」と色めき立った。 すぐに作ってみようという話になったけれど、ドイツでは鮭フレークが手に入りにくい。(アジアンマーケットになら売って…
薄くてパリッと香ばしく、サクッと軽く、ビールによく合う、ビールでなくてもよく合うフラムクーヘンは、ドイツでファンが多い薄いピザ。 この薄さ。窯で焼いたときにできる香ばしく焦げたふくらみがパリパリ感を作っている。 生地の上にふわっとかかってい…
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よく行く店に、南イタリアの料理を出すイタリアンレストランがある。 シチリアのメニューを出しているエスプレッソバー兼トラットリアで、カプチーノが抜群においしく、贔屓にする人たちも多い。 コーヒーのほかにワインや食事、デザートや茶菓子もあって、…
ドイツにもモーニングがある。パンやチーズや卵が大きなお皿に盛られていて、見た目にお洒落だなあといつも見惚れてしまう。 ドイツに来て間もない頃、わざわざ地下鉄に乗って、とあるカフェによく朝食を食べに行った。この朝ごはんは、バスケットいっぱいに…
黄緑のお菓子を食べませんか、と言われたら勝手に蛍光色の黄緑を思い出して「そんな光っているものいりません!」なんて言いそうになった記憶がある。けれどそれがピスタチオとか和菓子の緑となれば話は別だ。これほど美しい緑の甘味はない。 抹茶アイス。美…
以前、夏の休暇にポルトガルを旅したとき、二枚貝のワイン蒸しを食べたが、今でも忘れられないほど衝撃的に豊かな味だった。海の味が凝縮されているだけじゃない。なんとも言えない酸味と清涼感があったのだ。 酸味を引き出していたのはレモン、清涼感を出し…